熊野市の「地域未来塾」で学ぶ子供たち
地域の未来を育む新しい試み
三重県熊野市池本町で開催されている「地域未来塾」は、地元の大学生たちが帰省中に地域の子供たちに勉強を教える貴重な場となっています。
これは、地域の児童たちの学習意欲を高め、学校間の交流や学力向上を図るために、平成28年から市教育委員会が始めた取り組みです。
毎年、8月と12月の長期休暇に実施され、子供たちの成長を支援する重要な活動となっています。
地域の未来を担う世代に、学ぶ楽しさを届ける姿勢には心温まるものがあります。
大学生が講師となり、教える喜びを分かち合う
開講から数日が経ち、大学生たちの熱意はますます高まっています。
三重大や皇學館大などの学生が集まり、小学4年生から6年生に向けて算数を中心に指導を行っています。
この日、児童たちは年齢別に分かれ、割り算や小数、さらにはグラフの読み取りといった内容を学んでいます。
大学生たちはホワイトボードを使い、子供たちに問題解決の方法を説明する姿が印象的で、思わず微笑んでしまいます。
子供たちの学びの姿勢に感動
授業中、児童たちからは「意味が分からない」「ヒントを教えて」との声が上がります。
その声に応えて、一生懸命に分かりやすく説明する大学生たちの姿に、思わず心が温かくなります。
特に、井戸小学校の宇城香麦さん(10歳)は「難しい問題をみんなで教え合いながら解けた。
算数は苦手だけど、少し好きになれた」との笑顔を見せてくれました。
このような子供たちの成長を支えることができるのは、大学生たちにとっても大きな喜びであることでしょう。
未来の教育者たちの成長を支える
今回の取り組みに参加している大学生たちにとっても、この経験は非常に貴重です。
名古屋市立大学の鈴木悠太さん(18歳)は「理解力の差を埋めるのが難しかったが、子どもたちには楽しく学ぶ大切さを知ってほしい」と語っていました。
彼ら自身も教職課程を履修している学生が多く、将来の教育現場での役割に向けた実践的な経験を得る良い機会となっています。
地域未来塾のさらなる発展を期待して
市教委によると、過去にこの取り組みに参加した大学生の多くが、教職員として地元に戻っているとのこと。
このことからも、地域の児童たちが将来の理想の姿を見つけ、夢を持つきっかけとなるでしょう。
教育の重要性を再認識させてくれる「地域未来塾」。
これからもこのような活動が続き、地域全体が一緒に子供たちを育てる環境がさらに充実していくことを期待しています。